■９月８日＝蕾膨らむ

８月２１日に種をまいたソバに蕾がついて、白い花をもうすぐ咲かせようとしている。
種まき後、２０日ぐらいで花を咲かせるというから今週末には咲き始めるのだろうか。ソバは初期の成長が速いと聞いていたが、まさしくあれよあれよという間に大きくなる。油断していると見逃してしまう。

隣のソバ畑を見ると咲きはじめていた。こちらは別なソバ同好会の畑。私たちよりも４日早い、8月17日に種をまいている。ということは、私たちの畑のソバの開花も予定どおり今週末になる。ソバの花をこんなによく観察するのは初めてだ。可憐だ。花が小さいので、私のカメラでは焦点を合わせるのに苦労する。

　　月冴えり　 ツクツクボウシに　そばの花

日が短くなっていくのを実感する。ウオーキングを兼ねてソバ畑に行ったのは夕方の５時半すぎ。ソバの花を見た帰りにはすっかりあたりはうす暗くなった。空には上弦の月がかかり、林はツクツクボウシの合唱でざわめいている。夏は月に無関心だが秋になると月に見入る。秋だね。しっとりとした情緒にしたるのも悪くない。

■９月１３日＝花が咲き始める

花が咲き始めた。といってもまだ大半がつぼみの状態だ。種まき後、２０日ぐらいで花を咲かせるというから１０日開花を予想していたのだが少し遅れた。背丈も伸びてだいぶ大きくなった。

■９月１６日＝開花期　７分咲き。これから見ごろを迎える

前回観察の１３日は一部咲いていたもののほとんどが蕾状態だったのだが、一気に咲き始めた。花畑の中に立ち入ってカメラを向けると、花が吹く風に小刻みに揺れている。この揺れるさまがすがすがしい。これから週末過ぎまでが見ごろになるのだろうか。１３日の写真と比べると一目瞭然だ。

　蕎麦の花白髪頭と緋の袴

ソバを栽培して初めて分かった。白いこまかな花と、赤い茎。

■９月２０日＝満月の夜に見るソバの花畑はスゴイという

ソバの花の満開は２０日ごろだろうと予測していた。台風が未明から明け方に通過した。ソバの畑がそろそろ満開を迎えるだけに心配した。夕方にソバの畑に行く。周囲は稲の刈り入れを終えた田んぼだけに遠くから見てもそこだけが白く明るい。

蕎麦咲いて一つの丘を明るくす　小林宵女　

満月の夜に見るソバの花畑はこの世のものとは思えないという。１５日は満月。幻想的な景色を見られるかなと期待したのだが、月は夜になると雲の中に隠れてしまう毎日だった。残念ながら月光に照らされる白い花畑の景色をこの目で見ることはできなかった。

やはり台風によって倒伏の被害があった。ウネ間５０センチの畑は土寄せの効果があったのか、まったく倒伏していなかった。ところが、ウネ間３０センチにすれば土寄せが不要ということで今年初めて試してみたというウネだが、ここは８割以上が倒伏していた。ただ根は大丈夫だ。根こそぎ倒されたのではなく、花が咲いているから実をつけてくれるだろう。ちょっと不安だ。

■９月２７日＝満開だ。白い花につつまれて、いい気分だ

満開になった。
先の台風で一部倒伏した。どうなってしまうのかと心配したが、花を咲かせているから大丈夫だろう。ずっと観察しているだけに安心した。これだけの白い花に囲まれるなんて、そこにたたずんでいるだけで清々しいいい気分になる。

ほそぼそと起き上りけり　蕎麦の花　　　　　村上鬼城