八幡平の紅葉はお勧めです。有名な観光地であるだけに混雑します。「とっておき」の場所ではありませんが、一見の価値があります。
　圧巻は八幡平アスピーテラインの蒸ノ湯分岐から大沼までの沿道です。とくに大沼の紅葉の景観には目がくらみ、息をのむことでしょう。時期は１０月中旬です。
　東北の紅葉はこの時期に集中します。東北の紅葉を満喫しようとすると仕事をほったらかして出かけるほかないのです。紅葉は待ってくれないからです。忙しい山旅になります。
　この時期の八幡平の山歩きですが、茶臼岳から八幡平頂上へのコースはあまり面白くありません。大沼の手前の後生掛温泉から焼山を経由して玉川温泉に抜けるコースがお勧めです。

　この登山コースはガイドブックによく載っています。手元の本には「東北では数少ない火山活動の残る山と温泉を巡る山旅」とあります。ブナの森から毛氈峠のおだやかさ、焼山の火山活動の荒涼とした風景、またブナの森に入り玉川温泉の地獄谷に降り立ちます。変化のあるコースです。。
　玉川温泉の”露天風呂”は一押しです。この火山地形の雄大な自然の中にあります。ぼくが一番気に入っている野天風呂です。ワイルドです。周りには地熱で身体を温めるために岩盤にむしろを敷いて横たわる人がいっぱいいます。初めての人には異様な光景が広がります。
　この野天風呂は無料です。周囲は観光客など人の通りは絶えることがありません。衆人環視の中でのヌードです。女性は勇気がいります。水着姿の女性もいます。自然にすっぽりと包まれ、湯加減もいいので､時間がたつのを忘れるくらいです。これが玉に瑕です。